ツシマウラボシシジミ

 Pithecops fulgens

絶滅危惧ⅠA類 (環境省レッドリスト)

国内では、長崎県の対馬にのみ分布。沢沿いの湿った森林の林床が生息地であり、スギ林の林床が多い。1990年頃には、対馬の上島全域に広く生息していたが、シカの個体数が増加し、幼虫の餌であるヌスビトハギやケヤブハギがシカに食べられ減少したことから、このチョウも激減してしまった。

保全状況
当協会では2013年の生息状況調査でわずかに残された生息地を発見し、その後、生息状況のモニタリング、生息域外保全活動などを開始するとともに、関係各所に保全の働きかけを行い、現在では、環境省、対馬市、地域団体、昆虫館、専門家など、多くの関係者が連携した活動が実施されている。
 
 
食草のヌスビトハギ

 
シカによる食害を受けたヌスビトハギ
 
 
シカによって林床にほとんど植物のない対馬の森林環境
 
 
シカの被害を防ぐため、シカ除けの柵を設置し、保全を進めている。柵の中(左)には、緑が多いことがわかる
 
 
ケヤブハギの豆を食べる終齢幼虫