Nature News No.3
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★        Nature News No.3 (1999/02/20発行)        ☆

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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇CONTENTS(目次)◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇ ■はじめに                            ◇

◇ ■ひとりごと:ダイオキシン騒動                  ◇

◇ ■イベント紹介(日本昆虫協会 1998年度総会)           ◇

◇ ■雑記蝶 (3)(森の宝石)                     ◇

◇ ■新刊紹介                            ◇

◇ ■書籍紹介(新刊以外)                      ◇

◇ ■ホームページ紹介                        ◇

◇ ■くりえいとPEN:更新情報                   ◇

◇ ■お知らせ                            ◇

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●Nature Newsは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』で発行さ

 れているメールマガジンに読者登録された方へ送付されます。

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■はじめに

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○Nature News は、読者のみなさんから寄せられたネーチャー関連の情報をお届

けする電子メールマガジンです。 (^^)/



○動物・鳥・昆虫・植物・花などの季節の情報、ネーチャー関連の本やホームペ

ージなどの紹介などのほか、エッセイなども掲載します。



○皆さまからの、情報提供、ご投稿をお待ちしています。

           ・・・なければ、自分で書くだけです。。ハイ (^_^;



○掲載は無料ですが、内容によってはご希望に添えない場合もありますので、予

めご了承ください。 m(__)m



○なお、お寄せ頂いた情報等は、くりえいとPENのホームページ

   http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/ 等で

紹介させていただく場合があります。



○バックナンバーは、次のHPでご覧になれます。

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■ひとりごと

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○ダイオキシン騒動

 テレビ朝日のニュースステーションの報道をきっかけに、埼玉県所沢市産のホ

ウレンソウなどの野菜の値段が暴落するという大騒ぎになりました。テレビの力

は凄いなあ。。。と、あらためて思うと共に、ミニメールマガジンとはいえ、情

報提供する側の責任を痛感させられました。

 ダイオキシン類(以下、簡単のためにダイオキシンと呼びます)は確かに怖い

化学物質ですが、今回の反応はちょっと過剰だったように思います。久米宏さん

を批判している新聞や週刊誌もありましたが、問題があるとすればテレビ朝日に

あるはずで、キャスターを批判するのは筋違いのような気がします。

 そもそも、JA所沢がダイオキシン問題についてちゃんとデータを出していれば、

こんな騒ぎにならなかったはずですし、市や県もきちんとした対応ができなかっ

たことにも問題があるのは明白です。

 ところで、いろいろな報道を見ていると、高濃度のダイオキシンによる毒性

(奇形児が生まれるといったもの)と、ごく低濃度で作用する可能性が指摘され

ているいわゆる環境ホルモン(内分泌撹乱物質)としての毒性(雌性ホルモンな

どとして作用する)を、混同したまま報道されていることが多いように思います。

 前者だけを問題にするなら、安全基準はかなり高い濃度になるでしょうし、後

者まで問題にするなら相当低い濃度を設定しなければならないでしょう。しかし、

環境ホルモンとしてのダイオキシンが、ヒトに対して、どのような影響を与えるの

かということは、実はまだよくわかっていないということが(これは他の環境ホル

モンにも言えることですが)話を難しくしています。

 「疑わしきは罰する」という考え方で「非常に微量でも危険である」とすべき

であるというやり方に賛同したい気もしなくはありませんが、それによって人間

の生活がなりたたなくなってしまっては意味がないようにも思います。実際、現

在の日本で主に問題になっているのは、ゴミ(半分以上は産業廃棄物)の焼却時

に発生するダイオキシンです。「所沢のゴミ焼却場の操業を停止せよ」と言うの

は簡単ですが、実際に操業が停止されると残ったゴミはどうするのかという問題

が出てきます。日本は欧米諸国に比べて、焼却処分されるゴミの割合が非常に高

いそうです。これは土地が狭いということもあるのでしょうが、このゴミの処分

方法を抜本的に変えなければどうしようもないでしょう。そのためには、まずゴ

ミを出さないようなライフスタイルに変え、いろいろな物のリサイクルを徹底的

に行わなければならないでしょう。

 結局のところ、日本のゴミ問題を解決しなければ、ダイオキシン問題も解決は

難しいということでしょう。つまり、ゴミ問題を解決できないうちは、環境ホル

モンとして働くかも知れないダイオキシンによるある程度のリスクを背負ったま

ま、生活せざるを得ないということになるのではないでしょうか。

 「そんなのは嫌だ!」というのであれば、私たち一人一人が本気でゴミ問題と

立ち向かうしかないのです。



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■イベント紹介

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○日本昆虫協会 1998年度総会

 日 時:1999年2月28日  13:30〜16:30

 会 場:神田パンセ201号室

     東京都千代田区神田3-9-10 TEL 03-3265-6366(代表)

 参加費:大人4,000円 子供1,500円

 内 容:特別講演「アマゾンの巨大昆虫」(新井久保)

     公演後、懇親会があります。

 詳しくは、日本昆虫協会のホームページをご覧下さい。

             http://ux01.so-net.or.jp/~jamides/kontyu.html



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■雑記蝶 (3)                         藤井 恒

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○森の宝石

 ゼフィルス(西風の精)という愛称で呼ばれる、少し大型の美しいシジミチョ

ウの仲間がいます。日本には、アカシジミやオナガシジミ、ウラクロシジミなど

25種が生息していますが、およそ半数はミドリシジミ類です。

 ミドリシジミ類のオス(♂)はふつう金属光沢のある緑色の翅(はね)を持っ

ていて、太陽の光を浴びてキラキラと輝く姿は、「森の宝石」と呼ぶにふさわし

いと思います。

 ゼフィルスの成虫は年1回、初夏から夏にかけて羽化して、森や林の梢を飛び

まわります。メス(♀)は食樹(ミズナラ、コナラなどブナ科が多い)の休眠芽

や枝などに 1mmほどの大きさの卵を産み付け、このまま卵(正確には卵内幼虫)

で冬を越します。肉眼では白っぽい小さな円形または楕円形の物体にしか見えま

せんが、顕微鏡で拡大すると、細かなトゲが生えていてこれがなかなか綺麗です。

冬の山に分け入って、凍える手で木の枝をたぐり寄せ、ようやく卵を見つけた時

など、まさに「宝石」を見つけたような気分なのですが、ここでは写真をお見せ

できないのが残念です。

 ちなみに、蝶の卵を調べるために、自費で走査型電子顕微鏡を買ってしまった

蝶屋さん(蝶屋≒蝶が好きな人)もおられます。

 最近は、冬に採卵に行かないで、夏か秋に母蝶を採集して来て、室内で人工採

卵する人が増えていますが、生息状況の調査や分布の調査には、採卵による調査

適しているので、今年もまた、キタアカシジミなどの調査採卵に出かけるつもり

です。



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■新刊紹介

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○阪神・都市ビオトープフォーラム 1999

 学校ビオトープ事例集 人・自然とつながる校庭づくり

 トンボ出版,大阪。

 ISBN 4-88716-141-7

 119pp. \1,200+税

 近畿都市圏の学校でのビオトープづくりの実践報告など。

 学校ビオトープの作り方もあります。これは、お勧めの1冊です。



○朝日純一・神田正五・川田光政・小原洋一 [原色図鑑]サハリンの蝶

 北海道新聞社,札幌。

 ISBN 4-89363-245-0

 310pp. \3,200+税

 

 サハリンへ蝶の調査へ通って調べた10年間の成果が、図鑑の形でまとめられま

 した。サハリンの蝶の図鑑としても素晴らしいですが、調査の様子やチョウ以

 外の生き物についても具体的に書かれており、読み物としても楽しめます。

 ミヤマウスバシロチョウの新亜種が記載されているほか、いろいろな新知見が

 盛り込まれています。

 蝶以外ではオサムシの解説もありますし、カラフトクサリヘビ(毒蛇)につい

 ての短い記述もあります。

 オールカラーでこの値段は「お買い得」です。

 

○近藤宗平 1999 人は放射線になぜ弱いか 第3版 少しの放射線は心配無用

 ブルーバックス B-1238. 講談社,東京。

 ISBN 4-06-257238-9

 282pp. \980+税

 「日本人は世界の常識を越えて放射線を怖がりすぎている」(p.254)という

 結論には必ずしも賛同はできませんが、放射線が人の身体にどのような影響を

 与えるかということはよくわかります。



○Chunningham, W.P and B.W. Saigo 1999 Environmental Science: a global

 concern 5th ed.

 WCB/McGraw-Hill http://www.mhhe.com/

 ISBN 0-07-115681-X (International edition)

 650pp. 国内で購入すると\4,000〜5,000

 大学生用に書かれた環境科学のよくできたテキストです。カラー写真や図も豊

 富で、平易な英語で書かれているので、英語の勉強にもちょうどいいかも知れ

 ません。



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■書籍紹介(新刊以外)

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○松澤昭雄 1997 絵とき 遺伝学の知識

 オーム社,東京。

 ISBN 4-274-13109-2

 183pp. \2,300+税

 遺伝の仕組み、遺伝子の本体と働き方、遺伝子と進化、遺伝子操作などについ

 て要領よくまとめられています。高校生や大学受験生・大学生(文系)などが

 遺伝についてもう少し詳しく知りたいと思ったときにちょうどよい参考書にな

 ると思います。



○叶内拓也・安部直哉・上田秀雄 1998 日本の野鳥

 山渓ハンディ図鑑7

 山と渓谷社,東京。

 ISBN 4-635-07007-7

 623pp. \3,000+税

 日本の野鳥479種を約2200点の写真や分布図、解説で紹介。

 写真図鑑としてはよくできていると思います。近似種の区別点がもう少しはっ

 きりわかるともっとよかったのですが。

 書店では買えない「野鳥の声283」の申込みハガキもついています。



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■ホームページ紹介

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○秋ヶ瀬の鳥達 http://plaze25.mbn.or.jp/~kudos/

 埼玉県の秋ヶ瀬公園の鳥の情報と羽根の図鑑と鳥の写真のホームページ。

 鳥の羽根図鑑は必見!



○NC's home page http://www2f.biglobe.ne.jp/~mohoo/

 アメリカのサイトから翻訳許可をもらって、スカンクの飼い方を掲載していま

 す。スカンクの飼い方なんて、他じゃ見たことありませんね。



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■くりえいとPEN:更新情報

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○くりえいとPEN http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/

 チョウや昆虫、写真などの総合情報ページです。

 夜23:00〜翌朝1:00ころは、サーバにアクセスが集中してご迷惑をおかけしてい

 ます。できるだけ、他の時間帯にご利用下さるよう、お願いいたします。



○日本鱗翅学会(LSJ)の紹介ページもあります。

             http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/org-lsj100.htm

○日本鱗翅学会の会誌「蝶と蛾」(第20巻以降)と日本蝶類学会の会誌

 「Butterflies」 に掲載された論文の検索ページも設置してありますので、ご

 利用ください。   http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/ref-databook000.htm



○情報掲示板は常時更新されています。

            http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/index-bbs000.htm



           >>>>>>>>>>>>見・に・来・て・ね  (^^)/



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■お知らせ

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○情報提供・ご投稿をお待ちしています。

 Nature News では、読者のみなさまからの情報提供やご投稿をお待ちしていま

す。ネイチャー関連の情報なら何でもOK・・・季節の生き物情報や新刊・CD

・パソコンソフト・ビデオの情報(宣伝)、素敵なネーチャー関連グッズの紹介

(宣伝)、ネーチャー関連のホームページの紹介(宣伝)、自然や環境について

のご意見など、何でもお寄せ下さい。

 なお、写真(画像)や音声も紹介されたい場合は、ホームページの方でご紹介

することも可能です。

 ただし、営業行為に該当するものは、ホームページへの掲載が有料となる場合

もありますので、ご相談ください。



○Nature News に掲載されている情報のご利用は、利用者の責任でお願いします。

 Nature News に掲載された情報を利用された結果、何らかの損害を被られても、

 くりえいとPENでは責任はとりませんので、予めご承知おき下さい。



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*    をご覧ください。                       *

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■編集後記

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○2月14日、南紀をまわってきました。主目的は梅林だったのですが、南部梅林

 などは3分咲き程度。。。しかも、青色のネットがそこら中にあって、興ざめ

 でした。そろそろ7分咲き〜満開になる頃ですが、また行こうとは思いません。



○で仕方なく、紀伊半島をさらに南下。。。海岸へ降りて少し海辺の生物の観察

 をしました。タイドプールにはアメフラシやウニなどがいましたが、海岸にウ

 ミヘビが打ち上げられていたのには、ちょっとびっくりさせられました。



○その後、串本まで移動して夕景を撮影して、京都に戻りました。アサギマダラ

 がいるかも。。。とちょっぴり期待して行きましたが、蝶の姿はありませんで

 した。



○アサギマダラといえば、昨年朝日新聞に掲載された写真が、「1998年読者の新

 聞写真 京都府代表作」とやらに選ばれたそうです。そういうつもりで提供し

 た写真ではなかったので、何だか複雑な気分です。。。



○受験生の皆さんは、国公立大学の前期日程の試験が始まりますね。リラックス

 して、いい結果を出してください。



○Nature Newsは、3月から毎週1回、原則として水曜日に発行することにします。

 2月は28日しかないので、No.4は3月3日に発行する予定です。より新鮮な情報

 をお届けできるよう、がんばりたいと思います。

 

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= 電子メールマガジン Nature News No.3 (1999/02/20 発行)      =

= 発 行:くりえいとPEN http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/     =

= 編 集:藤井 恒(Hisashi FUJII)                  =

=                                   =

=  記事の転載を希望される場合は、下記までメールでお問い合せください。 =

=     お問い合せは メールで info@japan-inter.net  まで。    =

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