Nature News No.4
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★        Nature News No.11 (1999/04/21発行)        ☆

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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇CONTENTS(目次)◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇ ■はじめに                            ◇

◇ ■ひとりごと:最近のTVから                   ◇

◇ ■新連載 パンパの鳥たち(3) 高木一夫              ◇

◇ ■雑記蝶 (11):カシワ林のチョウたち               ◇

◇ ■新刊紹介                            ◇

◇ ■くりえいとPEN:更新情報                   ◇

◇ ■お知らせ                            ◇

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●Nature Newsは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』で発行さ

 れているメールマガジンに読者登録された方へ送付されます。

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■はじめに

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○Nature News は、読者のみなさんから寄せられたネーチャー関連の情報をお届

けする電子メールマガジンです。 (^^)/



○動物・鳥・昆虫・植物・花などの季節の情報、ネーチャー関連の本やホームペ

ージなどの紹介などのほか、エッセイなども掲載します。



○皆さまからの、情報提供、ご投稿をお待ちしています。

           ・・・なければ、自分で書くだけです。。ハイ (^_^;



○掲載は無料ですが、内容によってはご希望に添えない場合もありますので、予

めご了承ください。 m(__)m



○なお、お寄せ頂いた情報等は、くりえいとPENのホームページ

   http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/ 等で

紹介させていただく場合があります。



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■ひとりごと

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○最近のTVから

 NHKで4月から始まった「すずらん」は、かつての「おしん」を思い出させ

る番組で、先週の金曜日と土曜日は思わずもらい泣きさせられる内容でした。場

面構成など、冷静に考えればわざとらしいとは思うのですが、そう思いつつもそ

の場面に見入ってしまいました。たぶん、いやみのない構成になっていたからで

しょう。これから先のストーリーは知りませんが、どういう番組に仕上がるか、

ちょっと期待して見ていこうかなと思っています。

 それから、放映日を忘れてしましましたが、少し前にテレビ朝日のニュースス

テーションでやっていた「行商のおばちゃん」は、別の意味で感動ものでした。

60代〜80代のおばちゃんというより、おばあちゃんと言った方がいい女性たちが、

毎日朝4時台の始発電車に乗り込んで、東京で行商をするのですが、あの腰のま

がったおばあちゃんが、自分の体重を軽く超えるであろう重い荷物を背負って、

駅の階段をゆっくりと上り下りしていく場面は、もう「すげえ・・・」の一言し

かありません。ニュースキャスターが「健康あればこそ」と言っていましたが、

私は自分の健康を自分でもぎ取ってくるような迫力を感じました。

 人間っていいな。。。と思える素敵な番組だったと思います。



 しかし、その一方で、ユーゴスラビアでは醜く痛ましい殺人行為が行われてい

ます。また昨日は、アメリカの高校で高校生による銃乱射事件があり、多くの若

い命が奪われるという痛ましい事件があり、日本のテレビでも、CNNでも繰り

返し繰り返し報道されていました。

 人間って嫌だな。。。と思いたくはないけれど、やるせない気持ちにさせられ

る報道です。でも、これもまた人間の困った一面だということは、直視しておか

ないといけないのでしょう。人間は時として愚かな生き物になるということを。

。。



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■パンパの鳥たち (3)                   高木 一夫

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▽150年間の変化

 ダーウインの後を辿って 2年半、鳥類の観察を行い、航海記に記された場所で

見られなかった唯一の鳥がハサミアジサシであった。この鳥は 160年前モンデビ

デオ港の奥の浜辺に群居していたと述べられているが、現在ではそこには精油所

があり、廃油、ビニール、ゴミなど汚物のたまり場で、とても海鳥の生活できる

場所ではなくなっている。しかしハサミアジサシ自体は近くのサンタルシア河の

中州や川岸にかなりの数が生息していた。1833年10月ダ-ウインはパラナ河でも観

察していた。

 ダーウインが最も関心を持った鳥はダチョウであった。

  "ミナスで大理石の層を調べるためにやや不規則な経路をとった。見事な広い

  芝原に多数のダチョウを見た。ある群は20羽か30羽ほどもいた。小高い丘に

  晴れた空を背景として立つと、この鳥もみかけははなはだ気品がある。こん

  な人慣れのしたダチョウは他の地方では見なかった。"

とやや文学的に述べている。さらに南に生息するやや小型の種にはダーウインレ

アの名が付けられている。この大型の鳥は飛ぶことができず牧柵をくぐることも

できないので、全土が牧場となった時点で全くの家畜状態に陥った。以前はこの

鳥を投縄やボラスで捕らえるスポーツが流行したそうであり、一つの巣に共同で

産卵する性質から卵を食用にした時代もあったという。しかし行動が制限され、

密度が減少したため全国的に保護の機運が強くなり、パンデアス-カルのピリア

ポリス動物園での人工飼育なども加わり、現在ではやや増加の傾向にある。

 ダーウイン時代と最も違っている状況はやはり道路とモータリゼションであろ

う。ウルグアイに限らず南米の国々では道路を中心に興味ある人為的生態系が生

じている。車の通りの多い道路ではその近辺に現れる鳥類が周辺の原野に比べて

多い。騒音や排気ガスなどは阻害要因のはずなのに何故であろうか? それは鳥

の行動を観察しているとすぐに納得できる。車の走り去った後に鳥が集まる場所

を見ると、そこには車にはねられ死んだ、小型の動物の死骸がある。または荷台

から落下したもの、運転台から投げ捨てられた食べ物などが多い。多くの場合、

夜間出歩く小ほ乳類・爬虫類(オポッサム、スカンク、イグアナ)が道路を横断

中に光に目がくらんで轢かれたもので、朝から多くの猛禽類(カラカラ、ヒメチ

マンゴ)の餌になるのである。さらに通常肉食ではない小鳥の類も沢山集まって

くる。従って南米の代表的な高速道路である南米縦断高速道路(パンナムハイウ

エー)では周辺が動物の少ない砂漠地帯を走るにも拘わらず、車から見える鳥類

の姿は多い。

 ウルグアイの鳥は単調な植生から餌の量が十分とはいえず、密度もそれほど高

くはない。しかし、ダーウインも注目したように猛禽類の比率が非常に高いとい

うことは確実にパンパの特徴であろう。ドルビーニ氏から引用して述べているよ

うに、家畜が移入されて以来、腐肉を食うハゲタカの増加は限りなく大きなもの

で、南方へ分布を拡張したと信じられる理由もあるという。パンパの牛や羊を中

心とする牧場という環境では、死亡した動物はそのまま放置される。また、屠殺

場という特別の場所から大量の動物質の廃棄物が出される。本来肉食性のワシや

タカは皆この餌をねらっているが、元は食植性・昆虫性と思われるマネシツグミ、

ナンベイケリ、シャクケイ等の鳥類までこの国では肉を好んで餌とする。そして

屠殺場は通常海岸から数十キロは内陸にあるにも関わらず、屠殺場のゴミ捨て場

の主役はカモメ、ウ、アジサシなどの海鳥で、これにタカ、トビの類、小鳥の類

まで加わり騒然とした雰囲気となる。カモメやウは毎日朝早く海岸から内陸に出

かけ、夕方に海に帰る暮らしをしている。モンテビデオ市周辺に限られるが、ゴ

ミ処理場付近での鳥類も多い。他の地域ではゴミは再利用や家庭内での処理が多

いので処理場はない。

 鳥がよく集まるもう一つの人間と関係のある場所は耕運中の場所である。ジャ

ガイモ、大豆、小麦、米などの作付けのため、大面積の土地が大型のトラクター

で耕運される。その際地下から掘り出される小型のネズミ類、昆虫類などを求め

て多種類の鳥が集まってくる。トラクターの直後を追うのはネズミ類をねらう大

型のワシ、タカ、カモメなどで、遠目には大海をゆく船の後を追う白いカモメの

大群という情景が広大な平原に繰り広げられる。昆虫を狙うのはやや小型のナン

ベイタゲリ、キバラタイランチョウ、ツグミの仲間、コウウチョウなどで、争っ

て餌を探す。ここではもはやトラクターが生態系の中の生物の一種と実感される。



                             <次号へ続く>



         ★★★ 写真を見たい方へ ★★★

         

 この連載記事には写真がありますが、Nature News には添付はしていません。

写真をご覧になりたいなりたい方は、次のいずれかの方法を選択してご覧くださ

い。なお、画像の公開、発信はNature News の発行より若干遅れますのでご了承

下さい。



 1) ホームページを閲覧する

           >>>http://japan-inter.net/nature-news/index.htm



 2) 画像ファイルを電子メールで受け取る

     nature-news@japan-inter.net

  宛てに、subject を「画像配信希望」としてメールを書いて申し込んでくだ

  さい。その際、バックナンバー分の画像も必要な方は、何号から必要かもお

  書きください。配信する画像の著作権は作者(または撮影者等)にあります

  ので、許可なく二次使用することはできません。また、画像の配信を中止さ

  れる場合は、上記のアドレス宛てにsubject を「画像配信中止希望」とした

  メールをお送りください。



 3) 画像ファイルを郵送で受け取る

  この場合はフロッピーデイスク1枚につき、\1,000(送料、税込み)の費用

  負担が必要です。詳しくは

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  まで、メールでお問い合せください。



         ★★★ お詫びとお願い m(__)m ★★★



 当方のミスで、Nature News の画像配信希望メールをいただいたにも拘わらず、

誤ってメールを削除してしまい、アドレスがわからなくなってしまったものがあ

ります。誠に申し訳ありませんが、メールでの画像配送を希望されたにも拘わら

ず、Nature News No.10(前の号)の画像ファイルが送られてきていない場合は、

もう一度ご連絡下さるよう、お願い申し上げます。



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■雑記蝶 (11)                        藤井 恒

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○カシワ林のチョウたち

 日本で見られる25種類のゼフィルス(ミドリシジミ類)の中で、カシワを食樹

としているものには、ハヤシミドリシジミ、オオミドリシジミ、ウラジロミドリ

シジミ、ウスイロオナガシジミ、キタアカシジミ(カシワアカシジミ)、ウラミ

スジシジミ(ダイセンシジミ)などがあります。

 このうち、ハヤシミドリシジミとキタアカシジミは、カシワに依存して生活し

ていますし、中部以北のウラジロミドリシジミもカシワに依存しているといえま

す(近畿以西ではナラガシワに依存)。また、ウラミスジシジミはカシワ以外の

いろいろなナラ類も利用していますが、カシワ食いのウラミスジシジミは幼虫形

態が特化していることも指摘されており、別種の可能性もあります。



 ところが、近年、日本各地でカシワ林が伐採され、消滅したり、あるいは林の

更新が行われなくなって、若いカシワの木が減少したりしています。幼虫の食樹

がなくなったり、食樹の状態が悪くなると、カシワに依存して生活しているチョ

ウも打撃を受けます。

 これらの中で特に深刻なのが、中国地方のキタアカシジミです。キタアカシジ

ミは、那須以北の東北・北海道と、飛び離れて広島県冠高原に生息しています。

広島の個体群は形態的に特化しているため、東北・北海道のキタアカシジミとは、

異なる亜種とされたり、別種ミナミアカシジミとする研究者もいます。しかし、

広島のキタアカシジミはここ数年ほとんど見つからず、絶滅も心配されています。

この広島の生息地がある吉和村が私の出身地ということもあり、現地に何度か足

を運んで調査していますが、うまく復活させられるかどうか、非常に心配な状況

です。中国地方には他にも産地があると思いたいのですが、いまのところ他のカ

シワ林からは発見されていません。仮に他の産地が埋もれていたとしても、現在

のようにカシワ林がどんどん減少している状況では、誰にも気づかれないまま、

カシワ林ともども中国地方のキタアカシジミがいなくなってしまうことも、心配

しています。

 一方、青森県でもキタアカシジミの個体数が急激に減少しており、心配されて

います。青森県ではカシワ林の消滅よりも、農薬の使用(航空防除)がキタアカ

シジミに悪い影響を与えている可能性が言われています。



 チョウを守るためには、そのチョウの生息環境を守らなければならないという

ことを、このキタアカシジミの衰亡は私たちに警告しているともいえるでしょう。



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■新刊紹介

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○室伏きみ子・小林哲幸 著 1999

 やさしい 細胞の科学

 オーム社出版局,東京。

 ISBN 4-274-13174-2

 230pp. \2,500+税

 細胞の生物学について、知っておきたい事柄が要領よく、かつわかりやすくま

 とめられています。高校の生物ではちょっともの足らない人や、大学の講義や

 テキストの内容がよく理解できない人にお勧めします。



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■くりえいとPEN:更新情報

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○くりえいとPEN http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/

 チョウや昆虫、写真などの総合情報ページです。



○インターネット版:アサギマダラニュース No.55

 アサギマダラ大移動研究会の「アサギマダラニュース」が久しぶりに発行され

 ました。今回は台湾情報が中心です。

 インターネット版は http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asagi-news0055.htm



○お勧めの本のページ http://japan-inter.net/book/

 Nature Newsで紹介した本を中心に、★★★以上の本を紹介します。



○津軽昆虫同好会の紹介ページ。津昆関連の本の紹介ページもできました。

                 http://japan-inter.net/insect/tsu-kon/



○ホームページの設置サービスを始めました。無料サービスもあります。

                http://japan-inter.net/information000.htm



○子ども向けの質問コーナー「質問ひろば」  http://japan-inter.net/kids/

 ネーチャー関連の質問ができます。大人も利用できますよ。



           >>>>>>>>>>>>見・に・来・て・ね  (^^)/



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■お知らせ

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○情報提供・ご投稿をお待ちしています。

 Nature News では、読者のみなさまからの情報提供やご投稿をお待ちしていま

す。ネイチャー関連の情報なら何でもOK・・・季節の生き物情報や新刊・CD

・パソコンソフト・ビデオの情報(宣伝)、素敵なネーチャー関連グッズの紹介

(宣伝)、ネーチャー関連のホームページの紹介(宣伝)、自然や環境について

のご意見など、何でもお寄せ下さい。

 なお、写真(画像)や音声も紹介されたい場合は、ホームページの方でご紹介

することも可能です。

 ただし、営業行為に該当するものは、ホームページへの掲載が有料となる場合

もありますので、ご相談ください。



○Nature News に掲載されている情報のご利用は、利用者の責任でお願いします。

 Nature News に掲載された情報を利用された結果、何らかの損害を被られても、

 くりえいとPENでは責任はとりませんので、予めご承知おき下さい。



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*    をご覧ください。                       *

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■編集後記

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○今回は、広島からちょっと短めのNature Newsをお送りします。パソコンの調

 子が今ひとつで、皆さんへの発送がちょぴり遅れてしましました。



○本文にも書きましたが、画像配信依頼のメールをいただきながら、私のミスで

 消してしまったものがあります。お手数ですが、No.10の画像が届いて場合は、

 再度お申し込みください。



○20日は天気もよく暖かかったので、アゲハやクロアゲハの姿を見ました。皆さ

 んのところはいかがですか。身近な生き物情報をお待ちしております。



○京阪神では、ツツジやフジ、ボタンやシャクナゲの季節になっています。私の

 住んでいる京都府長岡京市のキリシマツツジは今が見頃です。お近くの方は、

 是非一度ご覧ください。この時期は、新緑もきれいなので、近くの山へハイキ

 ングに出かけるのもいいですね。



○紀伊半島でもアサギマダラの成虫が見つかり、さっそくマーキングされて放蝶

 されたそうです。これから来月にかけては、アサギマダラの春の渡りのシーズ

 ンです。アサギマダラを見かけたら、マークがないかどうか確かめて、マーク

 がなかったら、あなたのマークをつけて放しましょう。マーキング調査のマニ

 ュアルは、アサギネットのホームページをご覧ください。



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= 電子メールマガジン Nature News No.11 (1999/04/21 発行)     =

= 発 行:くりえいとPEN http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/     =

= 編 集:藤井 恒(Hisashi FUJII)                  =

=                                   =

=  記事の転載を希望される場合は、下記までメールでお問い合せください。 =

=     お問い合せは メールで info@japan-inter.net  まで。    =

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