近所のタゲリ

自宅がある京都府南部では、ケリは比較的多く、
繁殖もしていて年中見られます。
一方、冬鳥としてやってくるタゲリは
あまり多くないように思いますが、
先日、タゲリの小さな群れに出会いました。

タゲリの飛翔@京都府 撮影:藤井 恒

タゲリは畑や堤防の法面で盛んに採餌していて、
私がそっと近づけば逃げることもなく、
近くで撮影させてくれました

タゲリ@京都府 撮影:藤井 恒

上の写真は正面方向から見たタゲリですが、
頭の上の冠毛が可愛いですね。

下の写真は横から見たタゲリで、
羽毛が綺麗な緑色になっていますが、
これは構造色なので、光の当たる方向によって
綠が強くなったり青っぽくなったり、
茶色や黒っぽく見えたりします。

タゲリ@京都府 撮影:藤井 恒

綺麗な鳥なので、うれしくなって撮影してしまう、
タゲリはそんな鳥ですが、興味がない人たちは、
存在にすら気づかず、通り過ぎて行ったり、
タゲリを驚かして飛ばしてしまいます。

こんな鳥がいることを知らずに通り過ぎるのは、
勿体ないと思うのは、私だけではないですよね?

雪の永平寺

雪が降った直後の永平寺(福井県)を訪れてみました。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

雪が降りすぎると、道路が不通になったりして危険ですし、
かといって雪が降っていない日に行くと、
新雪が降った時の美しい情景にな出会えません。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

そんな訳で、自分のスケジュールと天候がなかなか会わず、
行きたいと思ってから3年が経過してしまいましたが、
平日ということもあり、ゆったりとお参りさせていただくことができました。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

永平寺の中からは、こんな感じで格子窓越しに見るしかない場所が
ほとんどですが、これはこれで趣があっていいと思います。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

上の写真や下の写真は、この格子窓から、
外の風景を切り取ったものです。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

数カ所だけ、直接、外を見ることができる場所もあり、
下の写真はそこから撮影したものです。

永平寺@福井県 撮影:藤井 恒

屋根から落ちてきた大量の雪が
軒下に積もっていることがわかります。

今日も北陸などでは大雪になっていますので、
こんな日は、おとなしく家にいるのが正解です。
屋根の雪が落ちる時に下にいると命を落とす危険がありますので、
くれぐれもお気をつけください。

アリスイ

このちょっと変わった姿をしているのはアリスイです。

アリスイ@京都府 撮影:藤井 恒

北海道や東北北部では夏に繁殖していて、それより南の地域にな冬鳥として飛来して越冬します。

アリスイ@京都府 撮影:藤井 恒

長い舌を使ってアリを吸い取るように食べることから
アリスイという和名がついているそうです。

アリスイ@京都府 撮影:藤井 恒

普通の小鳥と同じような止まり方をするキツツキの仲間
というのも面白いですね。

ハクガン

ハクガンは、以前、紹介したシジュウカラガンと同様、
日本からほぼ絶滅状態になったガンの一種です。

ハクガンの成鳥(左)と若鳥(右)@新潟県 撮影:藤井 恒

シジュウカラガンと同じく、復元計画が立てられ、
1993年以降、その計画が実施されました。

その結果、最近になって日本へ渡ってくる
ハクガンの個体数も1000羽以上になっているのは
喜ばしいことです。

最近、本州でハクガンが確実に越冬しているのは秋田県と宮城県です。
新潟県にも群れで越冬することがありますが、
見られない年もあるということで、
昨秋に東北を訪れた際に宮城県行ってみようと考えていましたが、
天候と日程の兼ね合いで叶わず、新潟県でリベンジすることにしました。

ヒシクイと採餌するハクガン@新潟県 撮影:藤井 恒

当日は湿った雪が舞うあいにくの天候で視界も悪く、
ハクガンを見つけるのに少し手間取ってしまいましたが、
まず、マガンとヒシクイと一緒に採餌している
ハクガンの35羽ほどを見つけました。
その後、別の場所で200羽以上のハクガンが
ヒシクイと一緒に採餌している場所を見つけました。
上の写真は、その時の様子ですが、
ハクガンは雪の白と、ヒシクイは田んぼの色に同化しているので、
肉眼で遠くから見つけるのはかなり難しいと思います。

下の写真は、ハクガンだけが集まって採餌している様子ですが、
雪が降っていることもあり、肉眼ではほぼわかりませんでした。

雪に同化しているハクガンの群れ@新潟県 撮影:藤井 恒

ただ、飛ぶと特にハクガンは目立つので
飛んでくれれば肉眼でもそれとわかります。

雪が降る中で飛ぶハクガン@新潟県 撮影:藤井 恒

採餌している鳥の邪魔をしないように、
私は遠くからそっと撮影していますが、
ハヤブサやノスリなどの猛禽類が飛んで来たり、
近くを自動車などが通ったりすると、
驚いて一斉に飛び立つことがあります。

自動車に驚いて飛び立ったハクガン@新潟県 撮影:藤井 恒

上の写真は自動車に驚いて一斉に飛び立った直後のハクガン、
下の写真はその時に飛び立った200羽ほどのハクガンの写真ですが、
全個体は写っていません。

一歳に飛び立ったハクガンの群れ@新潟県 撮影:藤井 恒

そのままどこかへ飛び去ってしまうか、ねぐらに変えるかも
と思いましたが、元の田んぼに戻って来てくれました。

戻って来たハクガン@新潟県 撮影:藤井 恒

新潟県には350羽ほどのハクガンが飛来しているようですが、
その大半を観察、撮影することができたのではないかと思います。

帰りの雪が心配になって来たので、
ねぐら入りを見るのは諦めましたが、
たくさんのハクガンに出会えて幸せでした!

来シーズンもまた、たくさんやってきてくれますように!


分散できるかナベヅルの越冬地

ナベヅルは日本でいちばんたくさん見られるツルですが、
世界で生息しているナベヅルの8割以上が鹿児島県の出水平野で
越冬するとされており、今年も1万羽以上が確認されています。

出水平野にはマナヅルなど他のツルも多数飛来し、越冬しますが、
これだけ集まるようになったのは、長年にわたる保護活動のおかげです。

ただ一カ所にあまりに多くの個体が集まると、
鳥インフルエンザのような感染症によって、
一度に多くのツルが死ぬ危険性も指摘されていて、
他の地域でも越冬するようにできないかという試みも始められています。

ナベヅル@三重県 撮影:藤井 恒

今シーズンも高知県、島根県、岡山県、三重県、石川県などでかなりの個体が
観察されていたようです。

ねぐらに帰るナベヅル@三重県 撮影:藤井 恒

上の写真は三重県で越冬しているナベヅルの群れがねぐら入りするところです。
一部のツルが重なってしまっていますが、48羽一緒に行動しているようです。

毎朝、ねぐらを飛び立って、離れた場所にある水田で餌を食べ、
ねぐらに戻って来ているようです。

ナベヅル@三重県 撮影:藤井 恒

ねぐらとして利用されている場所は、
簡単に近づけない場所ですし、
餌場もそれなりに確保されているようなので、
来シーズン以降もこの地域で越冬してくれるように
なるといいですね。