ナベヅルは日本でいちばんたくさん見られるツルですが、
世界で生息しているナベヅルの8割以上が鹿児島県の出水平野で
越冬するとされており、今年も1万羽以上が確認されています。
出水平野にはマナヅルなど他のツルも多数飛来し、越冬しますが、
これだけ集まるようになったのは、長年にわたる保護活動のおかげです。
ただ一カ所にあまりに多くの個体が集まると、
鳥インフルエンザのような感染症によって、
一度に多くのツルが死ぬ危険性も指摘されていて、
他の地域でも越冬するようにできないかという試みも始められています。
今シーズンも高知県、島根県、岡山県、三重県、石川県などでかなりの個体が
観察されていたようです。
上の写真は三重県で越冬しているナベヅルの群れがねぐら入りするところです。
一部のツルが重なってしまっていますが、48羽一緒に行動しているようです。
毎朝、ねぐらを飛び立って、離れた場所にある水田で餌を食べ、
ねぐらに戻って来ているようです。
ねぐらとして利用されている場所は、
簡単に近づけない場所ですし、
餌場もそれなりに確保されているようなので、
来シーズン以降もこの地域で越冬してくれるように
なるといいですね。